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農場がキャンプ場に?コロナ禍で注目されるイギリスのステイケーション

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[Publisher] The Guardian

この記事はのTom Wallが執筆し、パブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comにお願いいたします。

イギリス?サフォーク州に流れるデベン川のほとりの砂地に立つ、のどかな農園。この農園を運営する一家のジョナサン?シンパー氏(54歳)は、準備に追われています。

「ここは入り江に近くて、美しい場所なんですよ」とシンパー氏は言います。「今週末は予約でいっぱいです」

今イギリスでは、休暇を近場で過ごすバケーションならぬ「ステイケーション」のブームにあやかり、キャンプ場をオープンする農家が増えています。シンパー氏も、その一人。彼らの目的は、新たな収益を得ること、そして、ブレグジットに伴う欧州連合(EU)の農業補助金の終了や、これから来ると言われる不況に備えて事業を軌道に乗せることです。

不動産会社のサヴィルズ社は地主に対し、旅行?レジャー業への移行を勧めています。イギリスではキャンプ場やグランピング場、休暇用のコテージを旅行先として選ぶ人々の増加に伴い、事業を多角化させる農家や地主が増えています。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、この傾向がさらに強まったとサヴィルズ社は指摘します。

“多くの事業者はこれをチャンスと捉えていて、ごく短期間でレジャー施設を立ち上げています”

ウェブサイト「Cool Camping」運営者 ジェームズ?スミス氏

サヴィルズ社のツーリズム担当ディレクターを務めるサイモン?フォスター氏は、この変化は長期的なものになるだろうと考えており、「今後も続くと見ています」と言います。

「広大なリゾート地やキャラバンパーク、ホテルに泊まるよりも、ゆったりと過ごせるような、人里離れた安心?安全な場所が求められているのです」

「グランピングやコテージなど田舎で休暇を過ごす人が増えているという傾向は、2020年6月頃から急に強まってきました。そして、これからも強くなる一方だと思います」

キャンプ?グランピング場検索サイト「Cool Camping」を運営するジェームズ?スミス氏は、今年新たにオープンしたキャンプ場の数は年の2019年の2倍になると見積もっています。中でも、農場に開設したものが多いと言います。「どこも予約でいっぱいで、お客さんは滞在先を探すのに一苦労です」とスミス氏。「多くの事業者はこれをチャンスと捉えていて、ごく短期間でレジャー施設を立ち上げています」

イギリス政府は建築許可の規則を一時的に緩和しました。地主に対し、36日間は建築許可なしでキャンプ場をオープンしても良いことになります。これを受け、シンパー氏は70区画分のキャンプ場をオープンしました。この新規事業によって、ロックダウン(都市封鎖)により生じた農場の損失分の埋め合わせができれば、と彼は期待しています。

「今年(2020年)はとても大変でした」とシンパー氏は語ります。「うちは農家であると同時に、漁師でもあるんです。しばらくの間、漁を中止していました。うちではアスパラガスを育てているのですが、主なお客さんはロンドンのレストランに卸す業者なんです。ロンドンの飲食店は、どこも休業していました」

ニック?ムーア氏(55歳)も、期間限定のキャンプ場運営に初めて挑戦し、成功している農家の一人です。ハンプシャーのニューフォレスト国立公園の端で肉牛を飼育するムーア氏は、10エーカー(約4万㎡)の牧草地をキャンプ客向けに開放しました。「今はもう大忙しです」 キャンプ客が入れ替わる金曜を前に、彼は言います。「週末はいつも予約でいっぱいで、最近は平日まで埋まるようになってきました」

ブレグジット(イギリスのEU離脱)を前に、ムーア氏は牧場とは別の収益源を探ってきました。「EU離脱に伴って、この業界では多くの変化が起こっています」とムーア氏。「そこで、チャレンジしてみようと思ったのです」

彼は来年もキャンプ場をオープンするつもりだと言います。「これからは、毎年やるつもりです」

“田舎で過ごしたいと言う人は、確実に増えてきています”

リドニーパーク邸 ルパート?バサースト氏

ステイケーションのブームに乗るため、多様化戦略に迫られた農家はほかにもあります。オックスフォードシャーのバンベリーの農園で、2人の兄弟とともに農作物の生産と羊の飼育をしているチャーリー?テイラー氏(40歳)。彼らは、この農園を結婚式場として提供していましたが、39件もの結婚式の予約がキャンセルや延期となり、グランピング場に変えることにしました。「結婚式場からはキャッシが生まれていたのですが、激減していきました。それで、何かしなければと思い立ったのです」とテイラー氏は語ります。グランピング場にある八つの円すい形のテントと1台のトレーラーハウスは、8月の間は毎週末、完全に予約で埋まっていました。しかしそれでも、収益は前年よりも少ないと言います。「長い目で見れば、グランピング場の収益なんて微々たるものです」とテイラー氏。「結婚式なら1回で1万ポンド(約140万円)の利益になりますが、テント貸し出しの売上を全部あわせても1万1000ポンド(約150万円)にしかなりません」

田舎にある大きな邸宅も、休暇中の新たな宿泊施設への投資を検討しています。ディーンの森の中に位置するリドニーパーク邸を所有するブレディスロー子爵4世のルパート?バサースト氏は、敷地内にトレーラーハウスを数台と、2LDKのツリーハウス1軒を設置しようかと考えていると言います。「田舎で過ごしたいと言う人は、確実に増えてきています」とバサースト氏。「すでに給水所の改築を行いました。林の中に支柱を立ててその上に給水塔を作り、産業用水のテーマで雰囲気を一貫させるのも、大変良い案だなと思っています。人々が求めているのは、ただの箱なんかではなく、ストーリーとわくわくなのです」

リドニーの地を何世代にもわたり農園として利用してきたという、バサースト氏の一族。そんな状況についてバサースト氏は、カフェやレストランが休業すれば下落してしまう変動性のある牛乳の価格に振り回されすぎているとし、この邸宅も多角化するべきだと話します。「私たちの事業は大打撃を受けました。本来なら牛乳1リットルあたり30ペンス(約40円)欲しいところですが、需要がなかったので24ペンス(約33円)にしかなりませんでした」

冒頭のシンパー氏は、すでに来年の8月分の予約受付も始めています。美しいわが家をキャンプ客たちに共有できるのがうれしいというシンパー氏は、こう語ります。「僕は、人と話すのが大好きなので、楽しんでやってますよ」。

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